活動日記 ラジオ

「福島のお母さんと子供を救いたい」学問の知見を活かした原発・母子避難者の支援 ゲスト:高橋若菜先生
活動日記 ラジオ · 2024/07/15
2月15日のラジオのゲストは宇都宮大学国際学部教授の高橋若菜先生。地球環境政治や比較環境政治を専門とされている。原発事故後、新潟県で母子避難者の支援を行ってきた。新潟県のお母さんが孤立している様子を見て、「まま茶会」を作り、出てきた要望に対応したり、支援団体につなげたりといった活動をした。今回のラジオでは原発事故問題に関する活動に携わったきっかけ、具体的な支援内容、新潟県の行政と市民団体の災害対応がなぜ賞賛されるのかについてお話を聞いた。 大気汚染=公害としての原発事故  活動の動機は3つという。高橋先生の専門は大気汚染問題である。そのため原発事故による放射線物質が人体にどう影響を及ぼすのか早くから気付いていたという。しかし原発事故に関する情報を政府機関は公開していなかった。すると、その後の被害が見えづらくなるだけでなく、声を上げた人が「科学的な根拠がない」と後ろ指をさされることもあると気づき、活動を始めた。  2点目は、子供や乳幼児を守るためである。環境問題は利益を得る人がいる一方で不利益を被る人もいる。例えば、放射線は特に子供や乳幼児の健康に影響を及ぼす。そこで弱い立場にある人を守りたいという思いからだった。  そして3点目は、子どもを持つ1人のお母さんとして家族を守りたいという思いからだ。 日本の環境被害の裁判は長期戦。保障もわずか  高橋先生は東京電力と国を相手に、原告の「専門家証人」になった。きっかけは「原発の問題が、個別的なものではなく広域的な問題なのではないか」と原告の弁護士から相談を受けたことである。個別的な問題であれば本人に責任があるとされるため、専門家証人の仕事は「共通している課題を見出す」ことを目指す。  そうした裁判の経験から、日本の環境被害の裁判の問題は3つあると話す。1つ目は「日本の環境被害の裁判が長いこと」である。他国では1年以内で終わるのに対して日本では10年もかかる。2つ目は「被害者だけしか声を上げることできないこと」である。例えばドイツでは環境NGOが原告になれるという。3点目は「原発の影響を大きく受けた人以外の保障は少ないこと」である。実際「裁判が長期にわたるし、保障が出ても少ないため被害者が余計に苦しむ」と裁判に否定的なイメージをもつ弁護士もいる。が、声を上げていく必要があると高橋先生は話す。 「過去」を活かす新潟県の官・民の災害対応  新潟県の行政と市民団体は、中越地震や中越沖地震の経験を生かした有効な支援策を迅速に打ち出したとして評価されている。例えば、福島から発信される情報の提供を行ったり、避難者名簿を作成し福島県に提供するなど福島と連携して支援を行った。また避難者の声にもしっかりと耳を傾けた。「アンケートで『帰りたい』人数は出てくるが、その想いの強さや見通しなどは対面で話を聞かないと」という考えが職員全員に共有されていた。また被災者と支援団体をつなぐ中間支援団体があらかじめ育っており、パイプの役目を果たしていた。 我慢しないで発言する。「声を上げる」のは次世代のためにも。  最後に次世代に伝えたいことを聞いた。「様々なことを、我慢してやりすごすと辛くなる。若い人にはもっと思うことを発言してほしい」と高橋先生。 共感してくれる人は意外と多い。声を上げることは、次世代のためにもなり持続可能な社会につながっていく。震災から13年たち苦しむ避難者の姿はますます見えにくくなっていく。しかし幼児や子供など声を上げないものに代わって私たちが声を上げていくことで被害者の声を可視化させていかなければならないと感じた。 (ラジオ学生 佐藤)

活動日記 ラジオ · 2024/07/05
●「人生の岐路に立っている」ので能登ボラ 6/28~6/30の2泊3日で、能登半島災害復興支援ボランティアへ行ってきました。私自身、今回が初めての災害ボランティアで、どんな現場で何をするのか?何ができるのか?と不安も多い中での参加でした。...

活動日記 ラジオ · 2024/07/02
6月11日のみんながけっぷちラジオでは、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)から市川斉(いちかわひとし)さんをゲストに迎えた。SVAは、カンボジアやラオスをはじめとしたアジア7ヵ国8地域の子供たちへの教育支援と、緊急人道支援をしているNGOだ。いまだに紛争・戦闘が続くアフガニスタンやミャンマーでも活動している。現地では、「本」「人」「場所」の3本柱のもと、学ぶための本や教材を届け、安全に学べる場所である図書館建設に携わり、図書館員の育成を通して、学びが生まれ学びが続く仕組みづくりをしている。

「本能に従って遊んでほしい」。荒れ地で何をやったら楽しいか、皆で考える。
活動日記 ラジオ · 2024/06/28
「本能に従って遊んでほしい」。荒れ地で何をやったら楽しいか、皆で考える。...

増える女性の貧困=年金世代もひとり親も。処方は①生き抜く知恵を学校で教える、②申請主義をやめる。
活動日記 ラジオ · 2024/05/17
今回のゲストは、認定NPO法人フードバンクうつのみやで相談員をしている小澤勇治さん。フードバンクを利用する人の傾向、そして自立した生活を送れるようになるためには何が必要かをインタビューした。 増える年金世代の女性の困窮 困窮者には年金生活世代が多く、特に女性の割合が増加しているという。...


4/30ラジオ 犬の世話で、引きこもりの若者が元気に。「人の福祉と動物の福祉」両方を向上させる
活動日記 ラジオ · 2024/05/14
4月30日のみんながけっぷちラジオでは、認定NPO法人キドックスの事務局長の岡本達也さんをゲストに迎えた。キドックスは、子供(kids)と犬(dogs)を掛け合わせたものである。名前のとおり、子どもや引きこもりの若者がボランティアで犬の世話をすることで元気になり、一方で保護犬も助かるというもの。子供・若者、保護犬(人と犬)の孤立をなくし、人間も動物も自分達らしく生きられる福祉社会の実現を目指している。拠点は茨城県つくば市だが、将来は宇都宮にもキドックスを作る予定だ。

犬の世話で、引きこもりの若者が元気に。「人の福祉と動物の福祉」両方を向上させる。
活動日記 ラジオ · 2024/05/14
4月30日のみんながけっぷちラジオでは、認定NPO法人キドックスの事務局長の岡本達也さんをゲストに迎えた。キドックスは、子供(kids)と犬(dogs)を掛け合わせたものである。名前のとおり、子どもや引きこもりの若者がボランティアで犬の世話をすることで元気になり、一方で保護犬も助かるというもの。子供・若者、保護犬(人と犬)の孤立をなくし、人間も動物も自分達らしく生きられる福祉社会の実現を目指している。拠点は茨城県つくば市だが、将来は宇都宮にもキドックスを作る予定だ。

5/14ラジオ 今もなお続くアフリカの国際紛争の現状とは?解決するためにはどうしたらいいの?ゲスト:藤井広重さん
活動日記 ラジオ · 2024/05/13
豊かな自然と天然資源に恵まれる土地でありながら、世界で最も多くの武力紛争が発生する地域であるアフリカ。今回の戦争と平和ラジオでは、なぜアフリカで内戦が起こっているのかの背景から、解決のために何をすればよいのかについて、ボリューム満天の内容でお送りします!ゲストは、宇都宮大学国際学部准教授として「アフリカにおける人権保障と平和構築」をテーマに研究している藤井広重さんです。ぜひお楽しみに! ☆質問してみたい方はどんどんこちらまで⇒(773@miyaradi.com) ☆リスナーの皆さんのご意見・ご感想もお待ちしております! ★ミヤラジ(77.3FM)にて毎週火曜19:00~20:00オンエア! ★FMプラプラのアプリやブラウザからも聞けます(https://fmplapla.com/) (ラジオ学生:ちばなお)

活動日記 ラジオ · 2024/05/07
4月2日のゲストは、あしなが学生募金の事務局で活動をしている絵面ゆきのさん(白鷗大学3年)。あしなが学生募金での活動は主に2つ。日本とアフリカの遺児への「募金」と、その対象者である遺児(高校生、大学・専門学生)を全国から集める「集い」である。あしなが学生募金はほぼ同年代から少し上の大学生・専門学生・短期大学生が主体となって、親をなくした子供たちの進学支援の活動を続けている。絵面さんもその1人である。 世界中の遺児を救うため、まずは日本とアフリカから 募金活動は1年に2回(春・秋)に全国的に開催、年間約2.5億円があつまっている。一方でその寄付(奨学金)の対象は日本とアフリカの遺児である。日本だけでなくアフリカを対象にしているのは2050年に人口が約25億人に達し、世界人口の4分の1を占めると予想されているからだ。しかし、この人口増加に対し、実際にアフリカで高等学校に進学できている割合は10%を切っているという。あしなが学生募金は、寄付金を日本とアフリカの遺児の教育支援に充てることで、世界中の遺児を救うことを見据えている。 辛い気持ちを吐き出す場が心支えになる あしなが学生募金のもう一つの活動である「集い」では、年に1度、支援対象者の学生(奨学生)たちを集めて、自分の生い立ちや辛いこと、今後の展望を語り合い共有するという。いわゆるピア・カウンセリング(ピア=仲間)の集会だ。遺児の若者たちが苦しんでいるのは、「アルバイトや家事の負担が大きく、睡眠や勉強の時間がとれない」ことだけではない。その辛さを打ち明けられる人が身近にいないことにある。親友や信頼できるがいたとしても、なかなか相談できないという。結果、自身の内に溜め込み、ウツなどの精神疾患になる人も少なくない。いま話題になっている「ヤングケラー」の状態と似ている。だから、この「集い」は、同じ境遇の学生がありのままの気持ちを吐き出せる唯一の居場所になっている。この5泊6日の「集い」は、辛い生活の中に希望を見出すための貴重な時間となり、「気持ちを吐き出せる」ということの重要性がわかる。 「お金がない=夢を諦める」の連鎖を断ち切る 教員を目指している絵面さんは「将来向き合っていく子供たちの現状を知り、その未来の選択肢を増やす手助けがしたい」と語ってくれた。あしなが学生募金の構成員には、支援対象である遺児と同じ境遇の学生が多いという。自身も生活で手一杯であるにも関わらず、他者に目を向け募金活動に奮闘している。これからの未来をつくる子供(若者)たちが、自分の進む道を自由に選択できるような社会にしていくことの重要性を改めて認識した。このあしなが学生募金の活動を筆頭に、社会制度から教育支援の地盤を整えていく必要があることを、1人でも多くの人が認識し、教育にお金をかけられる世界になってほしいと感じる。(千葉奈央)

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