「コロナが収束する未来を見たい人は、ぜひワクチンを打って」

今回のゲストさんは、真岡西武クリニック院長の趙達来さん。内科の外来と在宅医療のほか、最近では新型コロナウイルスの診療、ワクチン診療も行っている。今回のラジオでは、コロナウイルスに関する質問への回答とワクチンの重要性について話をしていただいた。

 

◇コロナ禍で作業量3倍!?多忙を極める趙さんの活動。

 趙さんは現在、新型コロナウイルス診療をメインに活動している。それに加え、従来の仕事である在宅医療、ワクチン接種の仕事も増え、多忙を極める趙さんは「体が3つ欲しい」と言っていた。

 そんな趙さんはワクチンを「強力でリーズナブルなワクチン」と評価する。事実、医療従事者へのワクチン接種が終了したあとは、医療施設や介護施設でのクラスターは全国でも減少傾向にある。依然として問題なのは学校や飲食店関係のクラスターだ。感染力の強い変異株も出た今、感染拡大を阻止するにはワクチンの接種が世に行き渡ることが必要不可欠である。

 

◇ワクチン接種により期待できる効果は重症化の抑制

 現在世に出ている新型コロナウイルス用のワクチンは「メッセンジャーRNAワクチン」という種類のもの。「ワクチンの革命」とも呼ばれている一方で、人類がこの種類のワクチンを使うのは初めてであるため、世間では遺伝子組み換えの問題や不妊の問題など様々なことが語られている。「もともと癌ワクチンとして開発されていたものを切り替える形で誕生したものなので、優秀なワクチンであることに変わりはない」と趙さんは言う。

 ワクチン接種により期待できる効果は、重症化の抑制。感染を阻止することはできなくても、感染力を弱め人間の免疫システムで抗体をつくる時間稼ぎが出来る。

 ワクチン自体強力なものであるため副作用が強く出てしまうこともある。個人差はあるが、打った次の日は必ず安静にすることが大切だ。

 

◇これまで以上に油断できない「変異株」

 新型コロナウイルスの種類は「RNAウイルス」というものだ。この種類のウイルスは増殖するときに変異しやすい特徴がある。人間の体の中で増殖しているうちにより効率よく増殖しやすいように、つまりウイルスにとって都合がいいようにどんどん変異していくものが「変異株」と呼ばれる。

 変異株のポイントは、上記の「細胞にくっつきやすくなること」と、発症した際のウイルス量が多いことによる「増殖のスピードの速さ」だ。ウイルスは細胞の中で増殖すると、その細胞を壊してしまう。ウイルス量が多くなれば壊れる細胞の数が多くなる。

 変異株による若者の重症化も増え、コロナウイルスはこれまで以上に油断できないものになっている。

 

◇ワクチンに勝る解決策がない今、私たちにできることとは?

 

 コロナ禍以前の生活に戻るためにも、感染を避けるための行動抑制は必要。一人一人が行動変容をすることによって、結果的に自身が守られることになる。我慢をすれば、生活が壊されなくて済むのだ。趙さんは最後に「副反応などのリスクはありますが、ワクチンに勝る解決策がないため、全世界で今ワクチン接種が進んでいます。コロナが収束する未来を見たい人は、ぜひワクチンを打ってほしい。私も一生懸命頑張ります。皆さんと一緒にアフターコロナの世界を見たいと思います」と、熱意あるメッセージを聞いている人たちに送ってくれた。

(たなか)