鹿沼「能登カフェ」で生業支援。編み物・海産物・農産物・お菓子・・・身近にする活動

珠洲の親戚が、我が家に移住。

 

 震災から2週間後、珠洲市の親戚夫婦が病院の閉鎖をきっかけに鹿沼市の我が家に移住しました。半年間の移住生活の間に栃木でたくさんの人と交流し、「能登人のやさしさ」を伝えてくれました。

 7月、病気も奇跡的に治癒し、珠洲の自宅に戻られました。家は無事で屋根や壁を改修工事して、ゲストハウスとして必要な人々に開放したので、栃木のNPOや子ども食堂で支援団体を結成し、宿泊させてもらい音楽や演劇のイベントをしました。

 

国が国民を大切にしてないぞ。コミュニティを作る自覚を

 

 珠洲には過去4回訪れましたが、復興は遅々として進まない印象を受け、国が国民を大切にしない在り方が見え、国に頼らず一人一人がコミュニティーを作る自覚を持つことの必要性を痛感しました。フリースクールと障害者施設を運営し、社会的孤立の問題に常日頃向き合っている立場から、災害に関しても孤立・孤独を防ぐために今の自分のできることは何かを探したいと思い、参加させていただきました。

 

「思いの丈」を聞く:苦労の家を解体/自然好きだが外出できない…

 

 今回は足湯とアロママッサージをさせてもらい様々な思いを話してもらえました。

「自然の中にいることが好き。でもひとりで散歩をしていると自殺するんじゃないかと思われそうだから外に出られない」。

「苦労して、苦労してやっと立てた家だったんだよ。家がないと嫁さんに来てもらえないからね。でも解体されちゃった」

と、短い時間に思いの丈を話していただきました。その方たちの編み物が非常に上手だったので作品展や販売活動につなげられたらと思いました。趣味が少しでも生業に結び付くと励みになるのではないかと思います。

 

募金活動だけでは「心のつながり」が作れない気がする

 

 また、初めて訪れる町野町という地域の現状と伝統文化、美しい自然と生業を必死に守っている人々に触れ、その生業を少しでも応援できたらと感じ、スーパーの商品や熟成みそ、ニンニクなどを購入させていただきました。奥能登の生業を支える購買力はまだありませんが、少しでも頑張っている地域のことを知ってもらい、身近に感じて応援してくれる人を増やし、つなげていきたいと思います。

 

伝統行事・情景・祭りを聞き、訪れたい人を増やす「能登カフェ」

 

 全国各地で復興応援イベントは開かれていましたが、普通の募金活動では人と人との心のつながりがつくれないと感じていたので、今まで何回か「能登カフェ」を開催し、能登の海産物やお菓子を販売し、お茶を飲みながら、災害前の能登の美しい情景や祭り・伝統行事の話を聞く会を催してきました。販売できるもの品数が増えてくるとより一層の能登が身近になることと思います。そして、能登を訪れたいと思う人々を増やし、自然環境とコミュニティーづくりに関して考える人が少しでも増えていくことを願い、本当の豊かさとは何かを模索しながら、これからも仲間を募り活動を活性化していきたいと思います。(福田由美/NPO法人CCV=フリースクール&障害者支援)

 

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