
人は集まると自然と笑顔が生まれる
今回の能登での災害ボランティアでは、地域の人と話をしたりまけないぞう作りをしたりしました。
私は以前2回能登での災害ボランティアに参加したが、その時は地震で散らかった家の中の掃除や、浸水した床下の掃除など力仕事がメインだった。そのため今回のような被災者の方々ときちんと場を設けて交流するのは初めてで、「何かしなくては」と身構えていたが、まけないぞう作りを手伝い、話にまざり、一緒にお茶を飲み、笑顔にしてもらえる、その雰囲気の中にいるだけで幸せだった。
この活動を通して二つのことを考えた。一つは「人は集まると自然と笑顔が生まれる」ということ。ふと周りを見れば、足湯をしながら話をしている人、ほっと一息ついている人、机を囲んでまけないぞう作りをしている人、どこでも人が集まると笑顔が生まれていた。これは被災地に限ったことではないと思う。しかし地震と豪雨で突然日常を奪われ常に不安を抱えながら生活する被災者にとって、そんな不安を忘れられるひとときを過ごすことがどれだけの幸せだろうかと思う。だから、私が彼らに大きな変化を起こせなくても、皆さんが笑顔で話をし、一息ついて、笑顔で「ありがとう」と言って帰っていことが本当に嬉しかったし幸せであった。
暮らしの中に目標ができる「場づくり」
もう一つは、このような場を設けることで、生活の中に小さな目標を作ることができること。ボランティアに参加した人が、この村の住民を町(市街地)の賃貸住宅に移住させることについて、「確かに住む場所が狭い分、すべてのものが手の届くところにあって便利だ。しかし、ここにいる高齢者は、家に畑があって農作業をしつつ、近所づきあいをするという生活をずっとしてきた。その形(生活スタイル)を奪われた市街地での暮らしでは、生きていけないだろう」と話していた。
きっと現在の仮設住宅生活でも長期に強いられる狭い居住空間で、生きる意味を見失う人がいるかもしれない。だから、このようなみんなで集まるきっかけとなる場を設けることで、「これに参加しよう!」と思い、明日を生きる張り合いが見いだせると思う。人は生きる意味を見失うと生活が崩れてしまう。小さくても日々何か目標があり、その達成に向かって生きているときが一番人間らしくある形だと思う。部外者だとしても、被災地に介入し人々の交流を絶やさぬよう機会を提供してくことが災害ボランティアとしてできる活動の一つだと学んだ。
思いでつながる人は楽しい、素敵だ
それから、今回最も楽しかったのは、一緒にボランティアに参加した人たちとの交流だ。とにかくみんな明るくて、優しくて、一緒にいて楽しかった。一人一人参加するきっかけは違うけれど、ボランティアをしたいという思いは同じである。その思いでつながる人たちは本当に素敵な人ばかりだ。これは今まで3回災害ボランティアをしていて毎回感じることだ。これが、私が災害ボランティアにハマり、やめられない理由かもしれない。(守愛美/大学2年)
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