【福祉を支える人に聞く!】青空プロジェクト THE DAY代表 君島 陽一さんにインタビュー!—里山を守る挑戦

 今回は、栃木県那須塩原市の里山で森林保全や地域活性化に取り組む「青空プロジェクト The Day」代表 君島 陽一さんにインタビューしました。

活動の拠点となる 「シークレットベース」 こと、

里山の課題、そして未来に向けた想いについてお話を伺いました。

■ シークレットベースとは?

— まず、この場所について教えてください。

ここは僕たちが管理している 「シークレットベース」 という場所です。那須塩原市の塩原温泉から少し離れた 中塩原地区 にあり、もともとは 地域の方が所有する里山 でした。

今では 子どもたちやボランティアと一緒に森林の管理 をしていますが、かつては クマやシカが頻繁に出没し、地元の人もあまり入らない山 だったんです。


■ 里山を守るための活動とは?

— ここでは、どのような活動を行っているのでしょうか?

主に 「山林保全活動」 に力を入れています。これは、 森林を適切に管理し、自然と人が共生できる環境を作る ことが目的です。

落ち葉堆肥づくり:森の土を豊かにするために、落ち葉を集めて堆肥を作る
森林の手入れ:不要な木を伐採し、健全な森を維持する
里山体験:子どもたちやボランティアと一緒に山に入り、自然の大切さを学ぶ

もともとこの場所は 地元の人たちが生活の一部として利用していた山 でした。

でも、時代とともに使われなくなり、森が荒れてしまったんです。「だったらもう一度、元の姿に戻したらどうなるのか?」と思い立ち、10年前からこの活動を始めました。


■ クマやシカとの共存は可能?

— 里山にはクマやシカ、イノシシなどの動物も多く生息していますよね?

そうですね。

 この山にも クマやシカ、猿、イノシシ などの動物がたくさんいます。

以前は 「動物が怖いから山に入らない方がいい」というのが地域の常識でした。

でも、それで放置すると 森が荒れてしまい、かえって動物たちが人里へ降りてくるようになってしまいます。

 最初は 電気柵を設置したり、地元の猟友会に協力してもらったり していましたが、

「なぜ彼らがここまで来るのか?」を知ることが大切だと思い、まず 動物の行動を調べる ことから始めました。

 その結果、山が荒れることでエサ場が減り、動物たちが人里に降りてきてしまうことがわかりました。

そこで、森を整備することで、彼らが山の中で暮らせる環境を作ることを目指しています。


■ 里山を維持するための課題とは?

— 里山の管理にはどんな課題がありますか?

一番の課題は 「後継者不足」 です。

この山を所有している おじいちゃん・おばあちゃんの世代は、自分たちの山を管理していました。しかし、彼らの子どもや孫の世代になると、

 「山を管理するのは大変だから手放したい」 という人が多いんです。

でも、もしこのまま放置すれば 森は荒れ、動物が増え、人間の生活にも影響が出る

だからこそ、次の世代にも 「山の価値」 を知ってもらうことが大切だと思っています。


■ 里山の価値をどう伝える?

— 里山を次の世代につなげるために、どんな工夫をしていますか?

青空食堂の運営
地元で採れたキノコや山菜を使った 食事を提供する「青空食堂」 を運営し、地域の人たちと交流の場を作っています。

昔の暮らしを再現する
「この道は昔、畑へ行くために使われていた」など、地域のおじいちゃん・おばあちゃんから 昔の話を聞いて、それを形にする ことも大切にしています。

ツーリズムの導入
「田舎に住みたくない」「動物が怖い」と言う人もいますが、都市部の人からすると ここでの暮らしは新鮮で魅力的。だからこそ ツアーや体験型イベント を開催し、里山の魅力を伝えています。


■ 里山を守ることが環境問題の解決にも?

— 里山を守ることで、どんな環境への影響がありますか?

日本各地で 同じような課題(里山の荒廃、後継者不足、動物被害) が起きています。

だからこそ、ここでの取り組みが全国の里山再生のモデルケースになれたらと思っています。


■ これからの目標は?

— 今後、どんなことに力を入れていきたいですか?

 まだまだ 管理しきれていない山がたくさんある ので、「一つひとつの山を丁寧に整備する」 ことを大事にしたいですね。

また、森を管理すれば キノコや山菜が増え、それを楽しむこともできる

でも、最近は 山菜泥棒 も増えていて…(笑)

だからこそ、関わってくれる人たちには

正しい形で森の恵みを楽しんでもらいたいと思っています。


■ 最後に、読者へのメッセージ

「青空プロジェクト The Day」では、里山の保全活動を通じて子どもから大人まで楽しめる自然体験 を提供しています。

「自然が好き」「地域のために何かしたい」「里山の暮らしを体験したい」

そんな方は、ぜひ 一緒に活動しませんか?

興味のある方は、ぜひお気軽にご参加ください!

【編集後記】

今回のインタビューを通じて強く感じたのは、

「自然は人が関わることで豊かに生き続ける」 ということでした。

森林を放置すれば荒れ、動物と人との境界も曖昧になり、やがて生活に影響が出る。

逆に、人が適切に管理すれば、自然はその恩恵を惜しみなく与えてくれる。

キノコや山菜といった食の恵みはもちろん子どもたちが安心して遊べる場所も生まれます。

「ちょっと山の手入れを手伝ってみようかな?」

「子どもと一緒に自然の中で遊んでみたい!」

そんな気持ちがあれば、ぜひ一歩踏み出してみてください。

きっと、これまでにない発見や出会いがあるはずです。(しょうちゃん)