「Vネットは誰でも気軽にいつ顔を出しても居心地のいい所」を、民間のエネルギーで支えてる。  

 

1月7日のみんながけっぷちラジオはゲストに下野新聞社の佐藤さんをお迎えし、「とちぎボランティアネットワーク(以下Vネット)30周年!これまでの活動を振り返る」というテーマで放送した。

 

阪神淡路大震災、全国初の「ボランティア・バス」

とちぎボランティアネットワークは1995121日に創設された。阪神淡路大震災の支援をしていた当時は「阪神の復興を願うとちぎ人ネットワーク」という名前で活動しており、ボランティアの情報の場だった。

佐藤さんは創設当時を知る人物のひとりだ。取材や支援を通してvネットと関わってきた。30年前の117日に阪神淡路大震災が起きた。被災地で介護が必要だけど水も物資もトイレもなく、食べることも我慢しなくてはいけないという状況に置かれた人たち(全身性障害者)をどうにか支援できないか、とういう考えのもと県の社会福祉協議会と協力して先駆的な活動を行った。まだボランティアという言葉が一般化してなかった時代にボランティアバスを全国で初めて運行した。他にも炊き出しなどで支援を行った。

 

情報錯綜。「力になりたい熱意は空回り」

ボランティア活動は大変なことばかりだったという。一番困難だったことは情報の錯綜。どこにどんな支援が必要なのかが手探りの状態で、情報共有はうまくいっていなかった。支援してもらったものも実際は必要ではなかったり、すでに十分にあったりして物資の山ができることもあった。物資だけではなく、ボランティアしたい人、支援が必要な人をつなぐすべがないなど、双方向の情報共有ができていなかったのだ。

佐藤さんも実際に兵庫県西宮市でボランティア活動に参加した時にこの問題にぶつかった。被災地に行っても「間に合ってます」と言われたり、必要と言われてもどう運んだらいいのかわからなかったりと、力になりたいという熱意は空回りした。お金もものも必要なところに届かない状況に対して切ない気持ちになったという。

そうした問題はゲリラ的な活動ができても組織だった活動ができなかったことに起因すると振り返る。今では当たり前のボランティアコーディネートだが、当時はそうした中間支援が乏しかった。中間支援は目立たなくて地味に思えるかもしれない。しかしこれがないと現場に反映できず組織だった活動ができない程に非常に重要な役割を担っている。「ボランティア?なにそれ?」という状態から、今や一般的にその言葉が使われる社会に変化した。Vネットの活動も進歩している。ただ物資の支援を行うだけではなくて今では足湯を運営するなど、ただモノを配るだけではなくて話を聞いたりして交流できる場を提供している。今となっては初めて行く被災地にもボランティアが受け入れられるようになっており時代の変化感じると振り返る。

 

民間ならでは発案力と行動力、腰の軽さ

Vネットのすごいところとしてボランティアバスの運行など一見無茶に見えることを実現させてしまうところだと話した。募金などでしか支援できないかと思ったところに人を送り込むシステムを作った。民間ならではの発案力と行動力がVネットのいいところだ。また、現場にいく腰の軽さもVネットの特徴であり、外に対して支援できていることに加えて、NPO認定の支援などを通して地元の市民活動を掘り起こしてきた。このことはすごく大きいことだという。

 

Vネットはボランティアしたい人を応援し続ける

ボランティア元年と言われる阪神淡路大震災当時から30年経って、世代交代世代交流と言われる場面も出てきた。佐藤さんは学生の活動が街を元気にすると話した。若い人に活躍してもらうことでボランティア活動は持続可能になるという。しかしボランティアの現場での次世代の育成が難しいため課題は多い。また、認定NPOの収益事業に力を入れて社会活動を活発にするための資金を確保することも大切だという。コストパフォーマンス重視の現代社会にあっても活動目的もはっきりさせて、目的を忘れないで活動を続けられることが望ましい。いろんな人がVネットの活動を知って興味をもって寄付などが活発になればいいなと話した。

さらに、「Vネットは誰でも気軽にいつでも顔を出しても居心地のいいところだ」と佐藤さんは考えている。NPOはVネット以外にもたくさんあるので居心地のよさそうなところ見つけてぜひ自分で参加して欲しい。ボランティアをする人にとっても心のよりどころになるところなので気軽に参加してもらえればいいなと振り返った。創設当時から変わらずVネットはボランティアしたい人を応援する場所だ。 

【放送後記】

 阪神淡路大震災から30年という節目を迎えた今年こそ自分ができることを探して行動してみるべきだと思った。SNSで様々な情報が飛び交う時代になったが過去の災害から学び、正確な情報の共有が実現できる世の中になることを望む。(ラジオ学生野田)

 

↓YouTubeで聞けます!https://www.youtube.com/watch?v=FLJT9y636B8