地域福祉の現場から:那須塩原市社会福祉協議会の取り組みと課題

 12月4日(水)20時から、『ボランティアのしょうちゃん』YouTubeチャンネルで行われた生配信では、那須塩原市社会福祉協議会の柴田直也さんが登場しました。

 福祉の現場のリアルを伝える内容でありながら、とちぎ県北地域の特性や魅力も垣間見える配信でした。やはり、

とちぎの県北はおもしろい!

 那須塩原市社会福祉協議会の役割とは?

柴田さんが所属する那須塩原市社会福祉協議会(通称:社協)は、地域の福祉課題を解決するためのハブ的な存在です。具体的には次のような活動を展開しています:

  • 総合相談窓口:
     赤ちゃんから高齢者まで、福祉分野を問わずあらゆる相談を受け付けます。「困ったときに、まずここに相談する」という地域の駆け込み寺的な役割を担っています。

  • 地域に根差した取り組み:
     子ども食堂や認知症の方が安心して集える「オレンジドア」、ケアラー支援など、地域のニーズに合わせた柔軟な活動を行っています。これらの取り組みは、地域住民と協力しながら作り上げる形が特徴です。

  • 広域的な連携:
     行政や福祉団体、地域住民と協力し、制度やサービスだけでは対応しきれない部分を補いながら活動しています。


配信で語られた現代の福祉課題

配信中、柴田さんが触れた課題のいくつかを詳しく紹介します。

1. 引きこもりと8050問題

那須塩原市でも、引きこもり状態の方への支援が大きな課題となっています。本人が相談に来るケースは少なく、家族や地域住民からの相談が中心だそうです。「訪問しても本人に会えないことも多く、長期的な見守りが必要です」と話されます。

また、「8050問題」(80代の親と50代の子どもが同居し、どちらも社会的に孤立している状況)にも言及がありました。このような家庭では、両世代を同時に支援する必要があり、制度や支援体制の複雑さが課題です。

2. 不登校や発達課題のある子どもたち

不登校や発達課題を抱える子どもへの支援は、教育分野だけでは対応しきれません。柴田さんは「福祉分野と教育分野の連携が必要不可欠です」と強調しました。しかし、縦割りの制度や個人情報の取り扱いが壁となり、支援が進みにくい現状も語られました。

3. ダブルケア・トリプルケア問題

介護と育児を同時にこなす「ダブルケア」、さらに家族内で複数のケアが必要となる「トリプルケア」の課題も深刻です。「家族の負担が過剰になり、仕事を辞めざるを得なくなるなど、生活全体が立ち行かなくなるケースもあります」と説明。地域全体で支える仕組みづくりの必要性を訴えました。

4. 交通や買い物支援の重要性

那須塩原市は車がないと生活が難しい地域ですが、高齢者や移住者が交通手段を持たず、通院や買い物に苦労しているケースも増えています。公共交通の充実や、地域の支え合いが課題解決の鍵となりそうです。


しょうちゃんのチャンネルならではの魅力

「ボランティアのしょうちゃん」の配信では、柴田さんの真面目な話としょうちゃんの軽妙な進行が相まって、終始アットホームな雰囲気でした。

例えば、視聴者からの「社会福祉協議会の職員は公務員なの?」という質問には、「実は公務員ではありません。社会福祉法人の職員です」と丁寧に答える場面も。

福祉の裏側を知ることができる貴重な機会となりました。

 また、柴田さん自身が出演する「介護保険啓発動画」の裏話も披露。

「タイトルは『介護保険って何?』でYouTubeに公開中です。ぜひ見てください」と呼びかけつつ、「でも、大根役者なのでそこはご了承ください!」と笑いを誘いました。


編集後記

 今回の配信を通じて、「福祉」とは何かを改めて考えさせられる時間となりました。福祉は支援ではなく、地域全体で支える関係性を作ること。という思いが溢れていました。

 社会福祉協議会の活動や、現代の福祉課題について多くの学びを得ることができた今回の配信。YouTube配信を見逃した方には↓↓↓からご覧ください。

この記事を通じて少しでもその内容を感じていただければ嬉しいです。

次回(フレッシュ23%)もお楽しみに!(ボランティアのしょうちゃん)