厄介者だけど豊かな資源!竹の可能性を暮らしに活かすヒントを伝えていきたい

 1119日のみんながけっぷちラジオでは、益子町で竹林整備を行う「ヒジノワタケ部」部長の伊藤奈菜さんをゲストに迎えた。伊藤さんは千葉県出身。5年ほど前に地方暮らしに憧れて益子町を訪れた。それがきっかけで現在は千葉と益子で二拠点生活をしながら週4日、益子での活動している。「里山の自然や四季折々の風景が益子の魅力」と話す伊藤さん。自身の活動やそこに込める想いを聞いた。

 

多様性の破壊、獣害、災害リスク。放置竹林問題。

地方の人口減少や生活様式の変化により、私たちと自然の心理的距離は大きくなりつつある。それは益子の竹林でも顕著だという。竹は成長が早く繁殖力が高い。そのため竹林が整備されず放置されてしまうと他の樹木を枯らして植物の多様性を壊すほか、荒れた竹林へのごみの放棄や害獣被害にもつながる恐れがあり、竹林が地域住民から近寄りがたい場所になってしまうという。さらに竹は樹木とは異なり根が浅いため、斜面に生えていた場合、土砂災害のリスクも高まる。

このような被害を防ぐためにも竹林には定期的な整備が不可欠であるが、実際に整備をしながら竹林を維持していくことが難しい人や場所も増えてきている。そこでヒジノワタケ部は2年ほど前から竹林整備の活動を始めた。女性メンバーも多く、参加者同士の交流も楽しみながらアットホームな雰囲気で活動を行っている。

 

竹林を守る。竹と共にある暮らしを。

 ヒジノワタケ部では竹の伐採作業のほか、竹の活用にも力を入れて取り組んでいる。竹ひごでかごを編む昔ながらの竹細工や畑の土壌改良に効果的な竹炭など活用の幅は広い。さらにその広がりは食の分野にも及び、「ましこのまだけで作ったまじめなラー油」という食品の開発も行ったそうだ。

 「竹の活用方法は無限大。そう思うと竹は厄介者だけど、豊かな資源に見えてくるんです。伐採をするだけではなく、竹を暮らしの中で使っていくヒントを伝えていきたい」。最近では地域のイベントで商品の販売や竹ひごを使ったワークショップを行うブースを出展し、普段竹に触れる機会がない人にも興味をもってもらえたと話した。

 「竹林を守る。そして竹と共にある暮らしを」。今後は活動で得たノウハウを、竹林整備したいと思っている人にも伝えていくことで、大切な資源をずっと残していきたいと話す。(ラジオ学生 ながたき)

 

 

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