まけないぞう作りスタート! ぞうが伝える被災地の責任

 

まもなく1年。「テレビ見ることしかない」

 

 元旦に起きた能登半島地震から一年を迎えようとしている。

 3月までは名古屋のレスキューストックヤードに加わり穴水町に入って被災地支援活動をやっていたが、その後「輪島市町野町はほとんどボランティアがいない」と聞き、現在に至っている。3月に活動開始したときまず驚いたのは、全く手付かず状態で見放されていると感じた。それが今も続いている。

 8月頃には仮設の生活に落ち着き始め、玄関には切花など飾り「もうここで暮らし始めます」と言うメッセージを感じた。

 いままでの暮らしは、広い屋敷、畑には食べる分の野菜があった。一日することは一杯あった。季節ごとの畑仕事や冠婚葬祭。地震はそんな普通の暮らしをみんな奪ってしまった。その上、9月の水害で畑も流れ、寄り合って語り合う集落も寸断された。狭い仮設の中でテレビを見ることしかない。

 そこで「足湯で語り合おう、しゃべってもらおう」とやり始めたら意外に皆さんしゃべりたいことが良くわかった。知らないもの同士少しタッチして世間話が始まる。若い子との対面に話が弾む。

「ちょっと待ってな」と自宅にもどりアケビや漬物を持って来てくださる。ボランティア初めての学生が多く、大歓迎を受けた。自分たちが元気を貰ったとの感想が多かった。

 

「あんたー違うがねー」。する側・される側がない会話

 

 閉じこもりがちな冬にもってこいの「まけないぞう」作りを12月から始めた。

寄付で集めたタオルを手縫いで「ぞう」の形にした壁掛けタオルだ。洋裁に得意な人も苦手な人も一緒に教えあいながら、お喋りしながらの様子は始めて良かったとつくづく感じた。

 まけないぞうを初めて作るボランティアメンバーだったのがなおさら良かった。「あんたー違うがねー」と言われながらこちらも真剣。ボランティアする側、される側をとっぱらい楽しい時間が共有できた。

 

被災地責任:被災者が次の(災害の)人に伝えること

 

 現地に入って思うのは暮らす人が諦めなのか、何でも受け入れる土地がらなのか、文句も言わず感謝しか言わないことだ。「遠いところに良くきてくれたね」。もう一年が経つのに今でもそういって労ってくれる。とても嬉しいことでもあるが。

「被災地(者)責任」という言葉を思い出した。被災者自身が体験したことを語らなければ次の災害に生かせない。地震を経験し避難先での生活、転々と住居を変わらず得なかったときの事、仮設の暮らしづらい間取りやオール電化の使いづらさなど語って欲しい。

 温暖化のいま毎年の水害・地震は、可能性「大」だ。災害が起きる度に「ボランティア自粛論」が出る。本当に残念だし、怒りさえ感じる。

「何とかならないのこの発言」。一日も早く沢山のボランティアが入って手伝いたい。足湯、片付け、まけないぞう作り、酒飲みなどやりながらこれから先を共に考える仲間になって行きたい。(菊池順子)

 

☆お願い

まけないぞう作りの新品のタオルを集めています(厚手ものがよい)。文字が入ってなく色付き、柄ものOKです。事務所にお電話下さい。また届けて下さるととても嬉しいです。(1本につき10円程度のカンパももらえるともっと嬉しいです)

028-678-3155 (事務所は日・月休み)

 

まけないぞうサイト

https://www.tochigivnet.com/ganbaroutochigi/utsunomiyadiy/%E3%81%BE%E3%81%91%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%9E%E3%81%86-%E5%BE%A9%E8%88%88%E6%94%AF%E6%8F%B4%E3%82%BF%E3%82%AA%E3%83%AB/