比較的細かい作業、人力しかない!
11月8日から11月10日までの奥能登・週末ボランティアに参加した。活動日は土曜の全日と日曜の午前中。まずは海楽荘のトイレの泥だしをした。海楽荘は土砂崩れの被害にあったホテル兼自宅で、建物は崩れていないが、泥が溜まっていて取り出さなければ営業復帰ができない状態だった。
建物を壊すわけではなく泥を取り出すという比較的繊細な作業なので、重機は思うように使えず人力でスコップを使う、というとにかく人手が要るような作業だった。これがまたひどい臭いで、現地の人によると、土砂崩れの被害にあった建物はどれだけ綺麗にしても臭いが完全になくならないそうだ。男性10人がかりで4、5時間かけてもトイレさえ作業を終わらすことはできなかった。本当にやることが多くて大変だと感じた。
日曜日は農家のビニールハウスの骨組みを組み立てた。土曜日に引き続き、骨組みの組み立ても地道な作業だった。この作業を80歳を超えた男性と60〜70代男性(年齢を聞いていないので勝手な憶測)の2人でずっと行っているとのことで、被災地の復興にどれだけ時間がかかるかという被災地の大変さの一部分がわかった気がした。
「重機で建物壊すイメージ」じゃない。人の手の数。足湯も、肩もみも
このボランティアに参加した理由としては、ずっと被災地でのボランティア活動に興味があったことと、これまで、大きな災害の被害にあったことがなく、被災地の状況を生身で感じたかったということがある。また、このボランティアは宇都宮から現地まで送迎バスが出ることや週末で完結していることなど、行きやすい条件だったので参加しようと思った。「人が足りていない」ということで、高校内で募集をかけて行くことにし、計10人を集めることができた。
今回初めての被災地ボランティアに参加した身として一番に感じたことは、「とにかく人手が必要だ」ということだ。私のイメージとしては重機で建物を壊したり、泥や木を取り除いたりして復興しているものだと思っていたが、人の手でしかできない作業はたくさんあった。先ほど書いた泥だしのこともそうだが、足湯や肩揉みなど、被災地の方々の心身のケアも大事になってくる。そうすると、本当にたくさんの人手が必要になる。このボランティアは比較的参加しやすい内容だと思うし、私としては普段関わらないような世代の方々とお話しもできて、とても充実した内容であった。年齢も性別も関係なく、いずれ自分も被災するかもしれないというマインドを持ってたくさんの人が参加するべきだ。これからは、こういったボランティアで災害についての知識をつけることや、見知らぬ地に支援しに行くという行動の選択肢を持っていきたいと思った。(加藤謙・星の杜高校/16歳)