知事選・市長選の公開質問状 ④ 県内でも増えている「医療的ケア児・者」が、大人になってからも地域で暮らしていくために、短期入所(ショートステイ)や、グループホーム、居住住宅について、運営補助や家賃補助などの継続的な支援をしますか

●回答(市長選候補者)

荒木大樹さん ◯

佐藤栄一さん ◯ 

上田憲一さん 無回答

毛塚幹人さん ◯

●回答(知事選候補者)

針川佐久真 さん ◯

福田富一 さん △(共生社会を実現するため、障害(児) 者が地域で安心して暮らせる生活環境を整えていくことは重要な取組であると考えている。グループホームの運営費補助や家賃補助については、県と市町の役割を踏まえながら検討していきたい。)

 

◆回答のサイト>> https://koukaishitsumon.net/

 

(現状と課題)

〇医療の進歩により、人工呼吸器や気管切開、経管栄養などの「医療的ケア」が必要な医療的ケア児が増えています。現在、栃木県内にはおよそ400人の医療的ケア児が在宅で暮らしています。2021年の医療的ケア児支援法の施行を受けて、栃木県内でも支援の体制が進んでいますが、すでに、18歳以上となっている人も増えています。

〇大人の体格をした子ども(医療的ケア者)を、親は抱えて介護をしています。いつか親は年を重ね、腰や膝が痛くなって介護が難しくなります。学校を卒業したあとは医療的ケア者が県内で通えるところも少なく、抱えて車いすへの移乗ができないと外出することもできず、家のベッドで過ごす時間が増えます。18歳以上の医療的ケア者の毎日を考えた場合、通って人と触れ合う機会があることと社会に参加していくことは大切です。

〇また、県内でも主介護者である母親が病気で倒れることもでてきています。親の介護負担軽減のため、短期入所は必要ですが、特に人工呼吸器装着者になると受け入れてくれるところがほとんどありません。それは、人の配置や、高いスキルの必要な人員確保に資金が必要だからです。

〇病院では小児慢性特定疾病や難病の対策として短期入所を行う病院に県から補助が出ています。ありがたいことですが、病院は生活の場ではありません。お風呂に入れることも少なく、ベッドの上でモニターをつけられて過ごすことがほとんどです。

命を守ってはもらえますが、本人としては生活介護のようにレクリエーションや日中の活動があったほうがストレス少なく滞在することができるでしょう。もし可能であれば、日中に預かりを行う福祉施設で、顔見知りの関係のあるスタッフが夜に泊り、地域ベースの泊りができれば、選択肢が広がりますが、現行の福祉施設の短期入所ではまったく採算が合いません。

〇同じ理由で、「医療的ケア者」が親から自立して暮らすグループホームや住宅も不足しています。施設は一杯で入所者は高齢化しています。大人になった医療的ケア者の自立と、親の介護負担軽減、本来親がやりたかった人生を取り戻す一助としても、地域の中で生活介護や短期入所、さらに暮らしの場であるグループホームや住宅の整備は喫緊の課題と考えています。

〇また、医療的ケア児・者はどの地域にも暮らしていますが、暮らしている地域によっては、利用できる社会資源がほとんどなく、あっても人工呼吸器装着者などの重症児・者に対応していないなど、地域間格差が顕著です。事業所がない、人材がいない、医療的ケア児が少ないため事業所を始めても経営的に成り立たないなどの要因が考えられますが、栃木県のどの地域でも暮らしていける施策を望みます。

(提案)

〇福祉施設が地域で行う生活介護(障害者のデイサービス)について、成人である医療的ケア者を受け入れるための福祉施設への支援が必要です。

〇医療的ケア児者の短期入所を地域の福祉施設等で行う支援策が必要です。

〇成人である医療的ケア者に対応できるグループホームや居住住宅について、運営補助や家賃補助などの継続的な支援が必要です。

 

■10/31からは栃木県知事選、11/10には宇都宮市長選がはじまります。そこで、私たち栃木県内の市民活動団体等の有志による公開質問状(15問)を公表し、候補者全員に「はい 〇」「いいえ ✖」「どちらでもない △(考え)」を回答してもらうという取り組みを始めました。

サイト>https://koukaishitsumon.net/

■すでに各候補の回答が出ています。

●読むだけでも面白いです。見てください。回答は10/31に公表します(到着次第・順次)

●拡散希望