知事選・市長選の公開質問状 ② 行政等の会議に地域に暮らす重度障害などの当事者を入れますか。 ③ 災害時の重度障害者の避難について、暮らしと命を守るための当事者を入れた具体的な避難計画と避難訓練、および当事者を交えた会議を行いますか。

■回答(市長選候補者)

荒木大樹さん 質問2:◯ 質問3:◯

佐藤栄一さん 質問2:◯ 質問3:◯

上田憲一さん 質問2:無回答 質問3:無回答

毛塚幹人さん 質問2:◯ 質問3:◯

■回答(知事選候補者)

針川佐久真 さん 質問2:◯ 質問3:◯

 

福田富一 さん  質問2:◯ 質問3:△(県が災害時個別支援計画を策定する人工呼吸器等の医療機器を使用する在宅難病患者については、家庭訪問による本人・ 家族からの聞き取り等により計画を策定し、関係者による会議の開催や、本人・家族等も含めた避難訓練を実施している)

https://koukaishitsumon.net/

 

(現状と課題)

〇災害時の避難や避難中の暮らしについて、地域で暮らす私たち重度障害者はとても不安に思っています。2018年には宇都宮市、鹿沼市、日光市、栃木市、佐野市、足利市、那須烏山市など栃木県全域で大規模な同時多発の水害が起こっています。それらを想定した場合、私たち災害時要援護者(特に重度の身体障害者の)は、自宅での車いすへの移乗、防風雨の中の避難、避難所での生活、避難所でのヘルパーの確保等がどのように行われるのか全く分かりません。またこれまでそのような避難訓練も、アンケートも、会議も行われていません。実際に、私たちが住む地区(宇都宮市)の避難訓練に参加しても、車いすでの参加が想定されず、「見ていてください」と断られて参加できませんでした。

〇災害時要援護者リストに基づいて個別避難計画が策定されていると思いますが、「数年前に災害時要援護者リストに参加されるか」の質問用紙がありましたが、それ以降は更新の連絡もありません。実際に、13年前の東日本大震災では何の連絡もありませんでした。

〇在宅の障害者の中には、人工呼吸器で暮らす人や、一人暮らしでありながら24時間の介護(介助)が必要な全身性障害者もいます。また知的障害、精神障害、認知症の高齢者、難病や内部疾患の人もいます。福祉避難所を決めただけでは多様な障害特性がある人たちの暮らしと生命は守れないと思います。また、重度障害者には電気機器が必要になり停電時にどのように対応したら良いか不安です。

(提案・提言)

〇住民との防災訓練に、地域に暮らす重度障害者など災害時要援護者を交えた、現実的な防災訓練をおこなう必要があります。

〇災害発生時に、避難行動と、避難所での生活、避難所での介護・療養について、それぞれの体制整備を行う必要があります。

〇そのためには災害時要援護者リストの実際的な運用を小地域ごとに行い、地域住民、福祉施設、当事者(家族)ごとの「個別避難計画」の策定が必要です。

〇2021年5月にバリアフリー法が改正され、バリアフリー基準への適合義務の対象となる特別特定建築物に公立小中学校等が新たに位置付けられました。2023年4月以降に新築等される公立小中学校は対応が必要になりましたが、既存の公立小中学校の改修は行うのでしょうか? 災害時の避難場所には、公立小中学校が利用される場合が多いので、早急に既存の公立小中学校の改修が必要です。

〇平常時も災害時にも、地域で暮らす重度障害者には「行政等の会議」への参加の機会がありません。障害当事者の「代役」として障害者福祉関係者や、福祉施設の長など「福祉サービス提供者」が招集され、会議が開かれているのが実際なのではないでしょうか。

街に暮らす重度障害の当事者はたくさんいます。大枠の計画とともに個別具体的なカスタマイズ(合理的配慮)が障害者の暮らしと命には必要です。福祉関係者は、福祉サービスを提供する主体であって、「障害者の代弁」にはなりません。地域で暮らす障害者を行政等の会議に入れる必要があります。

 

■10/31からは栃木県知事選、11/10には宇都宮市長選がはじまります。そこで、私たち栃木県内の市民活動団体等の有志による公開質問状(15問)を公表し、候補者全員に「はい 〇」「いいえ ✖」「どちらでもない △(考え)」を回答してもらうという取り組みを始めました。

サイト>https://koukaishitsumon.net/

■すでに各候補の回答が出ています。

●読むだけでも面白いです。見てください。回答は10/31に公表します(到着次第・順次)

●拡散希望