「こどもが声を挙げざるを得ない状況」に危機感をもってほしい。

 10月29日のみんながけっぷちラジオでは、「こども若者★いけんぷらす」のぷらすメンバーである高校2年生、青木心言(あおき・みこと)さんをゲストに迎えた。

 昨年4月に発足したこども家庭庁は、こどもや若者の視点に立ち、「こども」にとって一番良いことが何かを考える「こどもまんなか社会」の実現を目指している。その取組の1つが「こども若者★いけんぷ らす」だ。こども家庭庁をはじめ、各省庁が対面イベントやWebアンケートなどでこどもや若者の意見 を聞き、それらを制度や政策に活かすことを目的とした取組である。こども・若者に関わるテーマに広く意見を伝える「ぷらすメンバー」は小学1年生から20代。いつでも誰でも会員登録のみでなることができる。

 

先生からの不適切な指導・教育。「自分のような思いをさせたくない」

 青木さんは、これまで受けてきた教育の中で教員からの不適切な指導や、教員の資質が問われる場面を多く経験し、精神的苦痛を感じてきたという。「自分のような思いを次の世代にはさせたくない」と自身の経験を作文コンクールやスピーチコンテストなどで積極的に自分の意見を発信してきた。

 青木さんは高校1年生のときに栃木県唯一のぷらすメンバーとして活動を始めた。昨年行われたこども家庭庁主催の「こども基本法から考えるこどもまんなか社会シンポジウム」では、高校生代表として登壇し、自身の経験を渡辺由美子こども家庭庁長官に直接話したという。「全てのこどもたちが個性や才能を発揮して楽しく学べる環境をつくりたい」。その思いが青木さんの活動の原動力になっている。

 

「閉鎖的で偏った価値基準で行われる教育」。事例を知ろう。

 青木さんはこれまで様々な形で自分の意見を発信してきたが、同じ経験や思いをしていても「SOS の出し方」、「SOSを出していい」ことも知らないこどもや若者が多くいるのではないかという。「大人が言うことが絶対」という思い込みで自分の意見をもつことさえしない。「自分だけ我慢すれば」という言葉でSOSをふさぎ込んでしまう。このような同世代への危機感があるという。その上で、「本当の思いの見つけ方」や「声の挙げ方」、「行動の起こし方」などを伝えていきたいと語った。

 「私がすごいのではない。こどもが声を挙げざるを得なくなった現状にもう少し目を向けてほしい。閉鎖的で偏った価値基準によって行われている不適切な教育の事例を知って、こどもの教育を『みんなで見守る』体制をつくっていきたい。そして、こども・若者が誰の手でもチャンスをつかめること、それをどんな場所にも周知できる教育の在り方もこれから考えていきたい」。

 

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https://youtu.be/x2DlE_JSnos?si=yfpsvAvQXoFLzHtq

 

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 「こどもが声を挙げざるを得ない状況、しかしこどもが大人に頼れないという事実」。これが一番の問題だと思った。本当に「こどもまんなか社会」をつくるならば、変わるべきなのは国だけではなく、親や教師といった立場からこどもに関わる大人たちではないだろうか。青木さんの話からこのようなメッセージも感じられた。(ラジオ学生 ながたき)