10月15日の環境ラジオのゲストは、NPO法人トチギ環境未来基地の萩原ななさん(26)を迎え話を聞いた。未来基地は益子町にある若者主体の環境保全の団体で、主に芳賀郡内の里山や竹林を活用・整備する活動を行っている。また「社会のために働く」ことを探していた若者たちへ、「NPOという働き方」や「地域で暮らす」ことを提示している。2016年3月にはこれが評価され、農林水産省の全国の都市と農山漁村の共生・対流を推進する「オーライ!ニッポン大賞」のグランプリを受賞した。8~10月の夏休みはワークキャンプをたくさんやっていて繁忙期だそうで、一週間ほどボランティアハウスで滞在し、自然に触れながら活動も行っている。
フィンランド一人旅で目覚め、益子に定着
萩原さんが「環境」に興味を持ったのは、フィンランドに一人旅をして自然の凄さに感動したことがきっかけ。就職活動中だったが、「環境を守りたい」という意思から、大学を休学してトチギ環境未来基地でインターンした。
初めての作業では、地元の高齢者が刈払い機でパワフルに草を刈る様子が強く印象に残ったそうだ。
「今では、色んな人と森で作業することが大好き。最初は虫が苦手とか、不安そうな雰囲気が漂うが、一度やり始めるととても楽しいし、成果や作業後の光景が目に見えるので達成感を感じやすい。ぜひ皆で森に行きたい!」と話す。
「草刈を若者の力でやりたい」
萩原さんは自分が好きな益子の四季折々について、「地域の人が守っているが、少しずつ守る人が減っている。それを守っていきたい」と話す。
世界的には森林が減少し続けているが、日本では異なる問題がある。適切な手入れが行われていないため森が荒廃し、結果的に生態系の破壊や、二酸化炭素が吸収されにくくなるなど、森林の機能が失われる。森林が放置されると生物の種の多様性が失われる。「森をきれいにしたいが、自分1人ではできない。」、「木を売るために植林をしていたが、もう今は使わない」。そんな民有地も、森林が持つ公益的機能は他の森と同じように持っている。人手は足りないが、手入れをされることで価値が蘇る森林里山がたくさんある。萩原さんは「草刈を若者の力でやりたい」と熱意を見せた。
環境保全は「行動に移すことが一番だいじ」
萩原さんがトチギ環境未来基地で働き始めて4年。やりがいを感じるのは、竹林が始めは荒れた状態でも、整備後は素敵な状態になって、果樹園になったり、憩いの場になったりと、関わった人が笑顔になるのを見られる時だという。
「課題は、草がものすごいスピードで伸びていること」という。「草刈は一番大変で、地域の人が困っている。身近に草が放置される場所は必ずあり、発見したらできることがあるはずだ。行動に移すことが一番大事なので、それを実践してほしい」という。(ラジオ学生 山本)