(現状と課題)
〇2024年に文部科学省が出した「OCOLOプラン」は、学校と民間との連携や学校以外の場の重要性がうたわれています。また教育機会確保法でもフリースクールを居場所・教育機関として位置づけています。
〇栃木県における2022年度の不登校児童生徒数は小・中学校合計で5,137人。宇都宮市の市立小・中学校における不登校の児童生徒数は2021年度で1,126人。9年連続で増加しています。
〇北関東の群馬県、茨城県ではフリースクールへの補助金、助成金を出しています(群馬県、茨城県ともに上限100万円)。基礎自治体でも茨城県つくば市、北海道札幌市、滋賀県近江八幡市、長野県飯田市などはフリースクールへの補助・助成を出しています。しかし、栃木県(宇都宮市)では不登校という社会問題に対し、フリースクールや家庭等への補助・助成金を出していません。
〇フリースクールの運営は利用者(家庭)からの個人負担で賄われていることが多く、一般的な月謝(月会費)の額は33,000円といわれています。NPO法人全国フリースクールネットワークが調査、編集した『フリースクール白書2022』(以下、白書)では、月会費30,001円以上のフリースクールが31.1%、20,001円〜30,000円は23.3%となっています。毎月3.3万円で計算すると年間39万6000円もの家計負担となっています。
〇また『白書』の保護者へのアンケートで「フリースクールに改善してほしいこと」の回答で最も多かったのが「会費を下げてほしい」25.6%、次いで「通うための奨学金がほしい」18.9%でした(回答者数285人:複数回答)。
また「行政への要望」で最も多かったのが、「フリースクールにお金を出してほしい」83.0%、「学校に行くのを当たり前と考えないでほしい」69.6%でした。
「保護者にとって子どもがフリースクールに通ってよかったか」という質問には「よかった」が89.5%と最も多く、これらのことからフリースクールの必要性やその利用料について行政(自治体)の補助・助成を求めていることがわかります。
〇いっぽうで公立学校に通う義務教育期間の児童・生徒は、年間一人当たり、小学生84万8000円、中学生は一人当たり97万9,000円の学校教育予算が支出されています(財務省HP)。公立学校に行かないだけで公的な教育支出がなされないのは、著しく公平を欠いています。フリースクールに通う児童・生徒にも同額の公的負担が支払われるべきでしょう。
またこれは「こども基本法」における「平等に教育を受ける権利」を侵害しているともいえます。
(提案)
○義務教育でかかる年間一人当たりの費用(80万~90万円/年)と同等の額の支出を、不登校の本人(家族)やフリースクール等にかける必要があります。
○補助・助成の方法としては、
①信州型フリースクール認証制度のように、行政(民間、保護者、子どもとの対話の上)でフリースクールの要件を決め、認証されたところに補助(助成)を行う。
②東京都のように、不登校家庭に毎月数万円の補助(助成)を行う
③茨城県つくば市のように、フリースクールとそれを利用する家庭それぞれに毎月補助(助成)を行う。
④茨城県や群馬県のように、上限を決めフリースクールへ補助(助成)を行う。
があります。
○不登校という社会問題について、フリースクールなどを主とする学校外の学び場・居場所に対する補助金(助成金)を出すか回答をお願いします。
■国の選挙終り、10/31からは栃木県知事選、宇都宮市長選がはじまります。そこで、私たち栃木県内の市民活動団体等の有志による公開質問状(15問)を公表し、候補者全員に「はい」「いいえ」「どちらでもない(考え)」を回答してもらうという取り組みを始めました。
サイト>https://
●読むだけでも面白いです。見てください。回答は10/30に公表します(到着次第・順次)
●拡散希望!!