8月13日のみんながけっぷちラジオでは、ピープルポート株式会社の秋元明日香さんをゲストに迎えた。秋元さんは、宇都宮大学を卒業後、栃木の医療機器メーカーに新卒就職。3か月のプロボノを経て、現在の会社で勤務している。ピープルポート株式会社では、再生パソコンZERO PCという環境や人に配慮したパソコンを製造している。企業などからいらないパソコンを引き取り、心臓部分の部品を交換して定価の数分の一で販売している。秋元さんはこの仕事が、難民問題解決の道筋になると話した。
日本の難民認定率はたったの「0.3%」
難民にはどのようなイメージがあるだろうか。貧しい人、アフリカ系の人、満足に教育を受けられなかった人。最初に難民と聞いて、少なからずこのようなイメージが浮かぶのではないだろうか。確かに、シリアやアフガニスタンからの難民は今も多いが、人種にさほど偏りはない。現在、ウクライナやイスラエルなど、様々な要因で多様な地域から難民が生まれている。また、難民になる理由は様々であり、難民の中には避難前権力者だった人や知識人も多い。
難民はどうして日本に来るのか。この理由も様々だ。銃のない社会を求める人や、日本に知人がいる人、何か国かにビザを申請し、通った内だからなどが理由に挙げられる。
多様な理由で日本に来た難民申請者は難民になるため尋常ではない苦労を強いられる。難民認定率が低いだけでなく、難民認定には平均4年かかる。この間、申請者は日雇いの労働をして過ごすが、認定されなかったりビザの更新を忘れてしまうと不法滞在者となり、入管施設に連行されてしまう。施設の中では人権侵害ととられるような対応をされているが、改善される気配はない。
難民を高度人材外国人に
ピープルポート株式会社は、難民や難民申請者を雇用し、利益を生み出している。彼らは再生パソコンZERO PCを製造する工程を担当している。この会社では難民背景を持つ人を100人雇用することを目標にしており、ビザの切り替えができる新規事業を計画している。その事業とは、難民背景を持つ人をITエンジニアに育成し、高度専門職のビザに切り替えるようにするものである。この事業が成功すれば、利益を生みながら難民問題を解決することができる。秋元さんは、難民背景を持つ人に少しでも早く安心して生活を送ってもらいたいと話す。
既に我が身、難民問題は全員が当事者
難民問題というと、遠い国の人たちだけの話と思うかもしれない。しかし、私たちはいつ難民になってもおかしくない。難民背景を持つ人を一人でも多く救えるように、また、自分たちが同じように難民背景を持っても安心できるように、このような取り組みがほかの企業にも増えることを秋元さんは願っている。「誰もが崖から落ちても這い上がれる、人生何度でもやり直せる」世界を求め、秋元さんたちピープルポート株式会社は進んでいく。
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