こんにちは。さくら訪問看護ステーション看護師長の鳥居香織です。
今回は、私たちのステーションでの日々の活動や、訪問看護という仕事に込める思いを皆さんにお伝えしたいと思います。
私は訪問看護師として、平成8年からこの道に進みました。それ以前は、東京で助産師として働いていましたが、祖父母の介護をきっかけに、この地域で訪問看護を始めることになりました。当初、訪問看護という仕事に関してはほとんど知識がなく、不安も多かったのを覚えています。しかし、この地域で暮らす高齢者や病気を抱える方々の生活の中に、訪問看護がどれほど大切で必要なものかを実感しながら、日々学び成長してきました。
訪問看護の仕事は、病院の看護とは少し異なります。もちろん、病院で行う看護技術や知識は基本として求められますが、私たちが対象とするのは「患者さん」ではなく、「療養者」や「生活者」としての人々です。つまり、病気を抱えながらも家で生活を続けている方々の支援を行うのが、私たちの役割です。
私たちが大切にしているのは、「その人らしさ」を尊重しながらケアを提供することです。訪問看護の現場では、病気や障害だけでなく、個々の生活背景や価値観、家族関係までを包括的に捉えることが求められます。たとえば、同じ病気を持っている方でも、その方の生活の仕方や望む生活のスタイルは一人ひとり異なります。そのため、私たちは一つの枠に当てはめるのではなく、それぞれの方が大切にしていること、どのように暮らしていきたいのかを第一に考え、支援の内容を決めていきます。
訪問看護の素晴らしさは、病院のような決まったルールや時間に縛られず、利用者さん一人ひとりとじっくり向き合えることです。訪問先で30分から1時間という時間をかけて、一対一でケアを行うことは、利用者さんの本音や悩みを引き出すための貴重な時間となります。この時間を通じて、私たちは利用者さんの心の声を聴き、その人らしい生活を支えるためのサポートを模索していきます。
また、訪問看護には「見えないものを大切にする」ことが求められます。これは単に血圧や脈拍などのバイタルサインを測ることではなく、その方の表情、声のトーン、体の動き、そして「なんとなく感じる違和感」などを通して、心の中にあるものを読み取る力です。 たとえば、訪問時に差し出された手の動きひとつにも、その方の不安や信頼感、気持ちの変化が表れます。こうした細やかなサインを見逃さないことが、訪問看護師としての大切なスキルだと感じています。
時には、利用者さんやご家族が何を望んでいるのかが分からないこともあります。そのような時こそ、「先に立たない」という姿勢を貫きます。私たちはあくまでその方の応援団であり、アドバイザーです。「こうすべき」という意見を押し付けるのではなく、「どうしたいのですか?」と問いかけ、その思いを最大限尊重する。それが、訪問看護の真髄だと私は信じています。
私たちのステーションの理念には、「地域住民から愛され、信頼されるケアステーションになる」という目標が掲げられています。そのためには、何よりもまず、その人らしい生き方を支え、生活の質を向上させることが重要です。どのような状況でも、その方が「自分らしく」生活できるように、私たちはサポートしていきたいと考えています。
訪問看護は、とてもやりがいのある仕事です。もちろん、困難や課題も多いですが、それ以上に一人ひとりの生活に深く関わり、その人が笑顔で過ごせる日々をサポートできる喜びがあります。
これから訪問看護師を目指す方々にも、自分の持つ「五感」をフルに活用しながら、人の心に寄り添う看護の素晴らしさを感じていただきたいと思います。
私たちは、常に利用者さんの声を聞き、その声に応えるケアを提供し続けていきます。
訪問看護に興味がある方や、困ったことがあれば、どうぞ気軽にご相談ください。地域の皆さんと共に、さくら訪問看護ステーションとして、これからも一歩一歩進んでまいります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
さくら訪問看護ステーション 師長 鳥居香織
リンクはこちら⇨ https://youtu.be/s601rVWWj-g?si=tbGp5vw1Xi2yzuBJ
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あなたのご視聴をお待ちしています!(しょうちゃん)