· 

障害(ハンディキャップ)を作り出しているのは「社会」かも。地域街で自立生活をする障害者の話

 7月9日のみんながけっぷちラジオでは、NPO法人自立生活支援センターとちぎ(CILとちぎ)の齋藤康雄さん(55歳)をゲストに迎えた。CILとちぎは、どんなに障害が重くても自分らしく地域の中で生活できるように、当事者が中心となって運営しているNPOだ。齋藤さんは高校生の時にプールへの飛び込み事故で頸椎を損傷し、首から下が動かなくなってしまった。今回のラジオの事前取材では重度障害者でひとり暮らしをしていて、20年前に齋藤さんと一緒にCILとちぎを立ち上げた箱石充子さん(84歳)にもお話を伺った。

 

自分でヘルパーを探し・育てる「重度訪問介護」

箱石さんが自立生活を始めた30年前の宇都宮のヘルパー制度は、週2回で、1回1時間の支援だった。全身性の重度障害者には全く足りず、暮らせなかった。介助は継続的に必要であり、会社員のようなヘルパーの時間割では生きていけない。そこで1970年代から障害を持つ当時者たちが政府に抗議・要求して作ってきたのが「重度訪問介護」という制度だった。2000年代から生活圏の拡大を図るための援助を24時間、365日受けることができるようになった。

生活の介助なので、自宅での日常生活のサポートや外出時の移動介護もする。約3日間の簡易な研修でヘルパー3級の資格を取ることができる。CILとちぎは利用者(障害者本人)が自分に合ったヘルパーを推薦し、登録する「利用者が主宰者である介護事業所」なのだ。

 

「自立とは、依存できるものを増やすこと」

 斎藤さんは「自立とは、依存できるものを増やすこと」という。高校・大学の頃、親しか日常生活の介助を頼めなかった。食事も風呂も外出も、学校への通学もノートテイクも・・・。制度がないからヘルパーがいなかった。学校での支援もなかった。だが、こうしたものを社会が準備すれば頼っていける。いろんなものに「依存できる」という。

障害(ハンディキャップ=社会的不利)は健常と対極に位置するのではなく、社会が作り出しているのかもしれない。例えば、健常者が買い物に行くとき、自転車やバスなどの手段に頼っている。つまり「健常者にとっての依存先」を作っているのだ。買う食べ物だって誰かが生産したモノであり、依存の幅が非常に多い。障害者はその選択肢が少なく、これは社会自体が障害(ハンディキャップ)を生みだしているともいえるのだ。

日本では、健常者と障害者の教室や学校を分けた教育が行われる。そのため、小さい頃から相互に関わる機会が少なく、理解が進まない故に偏見や差別がある。すべての子供たちが共に学び合うインクルーシブ(包摂的な)教育が必要であり、この教育が社会によって作られる障害を減らす一助になるかもしれない。

 

【ラジオ後記】実は箱石さんにインタビューをしたとき、私が考えていた質問項目に「施設ではなく自立を選んだ理由は?」というものがあった。しかしお話を聞いて、自立したいという気持ちに理由なんていらず、この質問自体が私の中に「障害者=誰かに支えてもらう」という偏見があると気づいた。誰もが「1人暮らしをしたい」「自分で自由に選択したい」と思うはずなのに、結果的に障害者を別で考えていたことを私自身が体現していたと非常に恥ずかしく思った。地域でパワフルに生きる人たちは齋藤さんや箱石さん以外にももっといるはず。いろんな人と関わって、誰もが暮らしやすい地域社会に私も貢献していこうと改めて思った。(ラジオ学生とま)

 

 

☆質問してみたい方はどんどんこちらまで⇒(773@miyaradi.comリスナーの皆さんのご意見・ご感想もお待ちしております! ミヤラジ(77.3FM)にて毎週火曜19:00~20:00オンエア! ★FMプラプラのアプリやブラウザからも聞けます(https://fmplapla.com/