7月2日のみんながけっぷちラジオでは、障害者グループホームEME社長の赤松里去子さんと入居者の長谷川涼華さんをゲストにお迎えし、障害者グループホームの暮らしについてお話を伺った。
障害者グループホームとは、生活に困難や不安を抱えている精神障害や知的障害のある人がサポートを受けながら共同生活をする場である。EMEには20代から60代の14人の入居者が、3人ずつに分かれて暮らしている。ほかにも独り立ちをし、必要な時にスタッフのサポートを受けながらアパートに1人暮らしをしている人もいる。
「愛し愛される」
赤松さんは、どんな障害をもっていても「その人らしさ」を大切にしている。1人1人の生い立ちや性格、考えていることに向き合い、その人がその人らしく安心して生きられるように寄り添いたいと話す。その想いは、入居者の長谷川さんにも大きな支えになっている。
「私にとってEMEは、夢と安心できる居場所と大きな成長をくれた場所。これまでは自分が夢や希望をもつことができない環境にいたが、ここに来て生活も精神も安定して、やりたいことをやりたいと言えるようになった。今は自分と同じ境遇の子どもたちを助ける児童養護施設の職員になるために勉強している」という。
そして赤松さんは、愛されることも大切だが、愛することも同じくらい大切だという。そのために各棟1匹ずつ保護猫を飼い、愛情を注ぎながら育てている。
ホーム名にもあるEMEとは、「愛し愛される」という意味。まさにホームとそこに関わる人たちの関係が表れている。
「福祉の型にはまらない」もっと開かれた助け合いの体制を
社会では障害や福祉に対するハードルが高い。そこで赤松さんが意識していることが、「福祉の型にはまらない」ことだ。例えば、福祉サービスというと支援する側とされる側が明確に分かれてしまい、支援される側からすると居心地が悪く感じてしまうこともある。だからこそ、EMEではあえて支援する側も自然体でいるようにしている。そしてこれからは「周りの人が感じる障害や福祉へのハードルを下げていきたい」という。誰かを助けたいという気持ちをもつ人がもっと気軽に関われるように開かれた助け合いの体制をつくっていきたいと話した。
困ったときに頼れる大人や制度をもっとしってほしい
入居者の長谷川さんは、「社会には困った時に頼れる大人や制度がある。グループホームもその1つ。だからこそ、もっとたくさんの若者にそのような存在について知ってもらいたい」と話す。自分がEMEという安心できる居場所を見つけられたからこそ、「1人で抱え込まないで」というメッセージを強く訴えた。
(ラジオ学生 ながたき)