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今できることは、現地と繋がり続けること。困難に直面しても現場に居続ける

今できることは、現地と繋がり続けること。困難に直面しても現場に居続ける

 6月11日のみんながけっぷちラジオでは、公益社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)から市川斉(いちかわひとし)さんをゲストに迎えた。SVAは、カンボジアやラオスをはじめとしたアジア7ヵ国8地域の子供たちへの教育支援と、緊急人道支援をしているNGOだ。いまだに紛争・戦闘が続くアフガニスタンやミャンマーでも活動している。現地では、「本」「人」「場所」の3本柱のもと、学ぶための本や教材を届け、安全に学べる場所である図書館建設に携わり、図書館員の育成を通して、学びが生まれ学びが続く仕組みづくりをしている。

 

人口の8割に支援必要:アフガニスタン、国内避難民200万人:ミャンマー

アフガニスタンやミャンマーの国名を聞いたとき、何を思い浮かべるだろうか。タリバン政権やクーデターなどの印象があるかもしれないが、実際は愛情深い国だ。例えばアフガニスタンは客人へのもてなしが手厚く、ミャンマーは助け合いの精神が強い。特にミャンマーは世界寄付指数調査で1位になったこともあるほど、人助けやボランティアに対する意識が高い。しかし、そのような国も今は平和とは程遠い状況にある。タリバン政権が指揮をとるアフガニスタンでは、国連やNGOは外での活動が制限されているにも関わらず、人口の8割が何らかの支援を必要としている。一方でミャンマーでは国軍と人々の闘争は続き、国内避難民は200万人以上となり人道危機も深刻である。

 

報道されないけど、苦しい状況は変わらない。NGOの意味は「つながり続けること」

ロシアのウクライナ侵攻やガザの空爆が起き、最近ではメディアでアフガニスタンやミャンマーの状況を伝えるニュースが格段に減った。しかし、報道されないからといって現場で何も起きていないわけではないのだ。メディアの報道は受け手に「何かしなければ」「自分たちにできることは何か」と考えるきっかけを生むが、報道されなければその気持ちは消えていく。「ボランティアの自発性は揮発性」と言われるように、ボランティアは気持ちも行動も続けることが難しい。しかし、現場で取り残されている人に目を向けることは必要であり、1人で活動すれば消えてしまいやすい自発性も、NGOという組織があれば続けられる。SVAは組織で現地とつながり続け、これからも平和のために現地の声を届けていく。

 

(ラジオ後記)メディアで報道されることがこの世界で起きていること全てを映しているわけではない。メディアから注目されずとも苦しい思いで生きている人たちは多くいる。その存在に気づくことの大切さと、このがけっぷちラジオがその気づきの場としての役割を果たしているのではないかと感じた。(ラジオ学生とま)

 

 

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