3月5日のラジオのゲストは、とちぎボランティアネットワーク・災害事務局でボランティアをやっている高橋清人さんでした。高橋さんは、1月に穴水町のさわやか交流館プルートにボランティアに行った。ラジオでは、ボランティアの具体的な活動内容とそこで見えてきた課題についてお話をうかがった。後半では、今現地に行っている4人に生中継でインタビューをした。
ボランティアだからこそできることがある
行ったのは1月11日から14日。調査のための現地入りだった。プルートには約200人が避難していた。食事の準備、トイレ掃除、物資の運びこみ、足湯のボランティアなどを行ったという。
特に喜ばれたのが足湯ボランティア。被災者同士では互いに辛さを抱えているため、悩みを打ち明けるのが難しい。また日本人は我慢強い人が多く、特に年配の方は辛さを自分で抱え込む傾向がある。しかし、「よそ者」であるボランティアが「辛いよね」と気持ちに寄り添うと、弱音をはきだしてくれたという。このように「すぐに帰る見ず知らずのボランティアだからこそ」できる支援がある。避難者は、悩みを言語化し、心の重みを誰かにわたせたことで、心の整理がつくことができたのだろう。
人手不足と在宅非難の課題
課題に感じたことは2つある。1点目は、ボランティアが足りないことである。これは石川県が「道路が混雑することを考慮して個人のボランティアを来ないように」と呼びかけたためである。さらに避難してきた人の7、8割が高齢者。仕事がある人は日中はいないため、ますます人手が足りなくなってしまう。2点目は在宅避難者の支援である。プライバシーの関係で避難所ではなく家で過ごすという決断をする人もいた。しかし、情報が入りづらいこと、要介護者の災害関連死や孤独死など課題がでてくる。そのため、穴水町のボランティアでは2月からはニーズを掘り起こしの戸別訪問をしているという。
人の役に立てる喜び、仲間への感謝
Zoom(オンライン会議)をとおして現地ボランティアの4人の話を聞いた。家材の撤去、足湯ボランティア、談話室でお話を聞く、在宅避難者への支援などを行っているという。大学2年の三浦さんは宮城県気仙沼出身。「13年前の東日本大震災がおきた時、ボランティアにお世話になった経験がある、自分も感謝をしたい」とボランティアに応募したと話す。「ボランティアに応募をするのは勇気がいる。しかし、様々な人の役に立てる喜びを感じることができる。また楽しい経験、大変な経験を通して仲間に感謝の思いが芽生える」と話す。同じ体験をした彼だからこそ被災者の気持ちに寄り添えるだろうし、共感できる部分もあるのでないかと感じた。今後のボランティアの課題は、力仕事、足湯のボランティアの人手不足であるという。
自分の目で現地を見ることの大切さ
最後にスタジオの高橋さんに伝えたいことを聞くと、「興味・関心レベルで現地に行ってほしい」と話す。現地に実際に行かないと分からないことがたくさんあるし、他人事でないと実感するという。さらに普通に生きていると出会わないような様々な大人と出会うこともできる。それが大きな刺激につながるという。
情報とは、自分が実際に見たものや体験だけであると私は考える。誰かから聞いたり、どこかで読んだりしたものは実は情報ではない。たまたま見たり聞いいたりしたりことではなく、経験したことをしっかりと自分の言葉で伝えられる人でありたい。そのためにも今後能登のボランティアにも参加して自分の目で現地を確かめたいと感じた。(ラジオ学生:佐藤)