災害のとき、外国人住民も日本人住民もいっしょに!地域で助け合える関係をつくる

 9月24日のゲストは、宇都宮大学地域デザインセンター特任研究員の、坂本文子さんでした。坂本さんの専門は多文化共生で、ミヤラジの「あなたの隣の外国人」という番組(毎月第4日曜日18:00~30)でもお話しています。こちらもぜひ聴いてみてください!

 

いっしょに防災訓練 清原地区での取り組み

 先月千葉の台風被害もあったように、日本は災害の多い国です。何か起こったとき、隣に住んでいる外国人住民の方とどうしていくのかが、緊急の課題です。助け合える関係を、今つくれているでしょうか? 

「長く暮らしていく仲間だからこそ、日頃から関係を持つこと、地域で取り組むことが大事だ」と坂本先生。「まず、外国人の方は地域の防災訓練に来ているか、想像してもらいたい」と問いかけます。

  このラジオでもよく取り上げられる清原地区、90年代から外国人住民を迎え入れてきて、地域の交流の中から生まれた国際交流会があります。そんな清原地区で今年3月、外国人と日本人の住民がいっしょになって、災害時対応訓練が行われました。日本語で個人カルテに、家族構成や被害の状況を聞きとる“多文化防災”の訓練です。

そこでは「やさしい日本語=伝わる日本語」の訓練を日本人向けに実施しまあいた。「これ、食べる?」➡「あなたは、これを 食べますか」のように、主語+助詞+述語にならべたり、です・ます調にしたり、熟語や漢字語をばらしたりして話すレクチャーもありました。住民同士が向き合って取り組む、非常に先進的な事例でした。 

 

外国人、日本人で拒絶しない。同じ立場になって向き合う

 

 さらに、外国人はストック情報(小さい頃からの蓄積で、なんとなく理解していること)がありません。確かに、日本で育った人であれば、避難するときは、公民館か学校などの施設に行けば…となんとなく推測できます。逆に、自分が外国に行って災害にあったら、どこに逃げていいのかわからないです。

 坂本さんは、「こんにちは、ありがとう、避難所 それぐらい大事な言葉として伝えていけたら」と提案します。

「災害があったときに助けてくれるのは、遠くに住んでいる息子さんや娘さんではなくて、隣に住んでいる外国人の方かもしれませんよ」と坂本さんはいつも話しているそうです。日本に住む外国人の方は、長い方だと20~30年以上日本に住んでいます。平均年齢が若く、災害の時に動ける層でもあります。外国人の方も、災害があったときには、周りの人を助けたいと思っている、という話を聞いて、私も考え方ががらっと変わりました。

 外国人だから…とコミュニケーションを取らずに拒絶してしまうことを、外国人住民の方も悲しく思っています。地域の居場所に声をかけたり、民生委員、福祉協力委員、消防団、自治会の会長などの役割を頼んだりすることも、同じ立場になって向き合うことのひとつ。日頃からコミュニーケーションをとっていく大切さを教えていただきました。

 

日本語教育のことも、もっと考えてほしい!

 

 技能実習制度では、受け入れる待遇の悪さが度々問題になっています。日本に来てもらったときに、特に大事なことであるのに、政策の議論に上っていないのが「教育」です。外国籍の子どもは「義務教育を受けさせる義務がない」ため、小中学校で退学になってしまう場合があります。

 これには本当に驚きました。対応にも国内の地域格差があります。国の政策以上に、きめこまやかにケアするときは、自治体の負担になり、外国人の多い自治体ほど、その負担は大きくなります。

 コメントおじさん(矢野さん)の情報によると日本語教育が必要な全国に児童生徒は43千人(推計)、そのうち1万人は何もされていないというデータもあるそうです。国の政策が無く、自治体の対応次第になってしまう…残念なことです。が、がんばっている自治体、先生もたくさんいます。

 

ミヤラジで多言語放送、多文化防災をVネットでやっていきます!

 

 ラジオではあまりお伝えできませんでしたが、ミヤラジでは8月に、多言語放送の実験を行いました。実際にやってみることで、情報の責任の所在、誰が訳すのか、ストックしておける放送はあるか…準備することができるそうです。

 また、清原地区、とちぎYMCAVネットが協力する「やさしい日本語での防災」も近々始まる予定なので、要チェックですね!

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 本日、10月8日のゲストは、NPO法人キーデザインの土橋優平さん、コメントおじさんは中野さんです。新しく始まったフリースクールのお話を伺います!

 質問したい方は 773@miyaradi.com まで  リスナーのご意見・ご感想も待ってます! ミヤラジ(77.3FM)火曜19:0020:00オンエア! (かさはら)