あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
昨年12月25日のみんながけっぷちラジオ、ゲストは「更生保護施設 尚徳有隣会」保護司の鷹箸さんでした。
更生保護施設は刑務所から出ても帰る場所がない・頼れる人がいない人を一旦引き受け、衣食住や社会復帰への支援をし、社会への入り口を作っていく場所です。
更生保護施設の変化!1人ひとりの自立を考える
ここ最近は、更生保護について変化が激しいとき。改革が進んでいるそうです。従来は犯罪者を”悪い人”と一括りに決めつけていたような制度や社会の雰囲気がありました。しかし、犯罪に至ってしまう人の背景はさまざま。例えば、高齢者の生活困窮や、発達障害によって生きづらいためやむにやまれず犯罪を起こしてしまうケースもあります。従来の「犯罪者=悪い人」という見方から転換し、その人の背景に目を付け、「なんとか社会で自立できるように」支援をしていくという時代が来ている、とのことです。
行き場のない人を決して見捨てない
高齢者や障害者の入所が最近増えてきています。しかし刑務所を出てから行く場所がないという課題があります。そういった人たちを更生保護施設で受け入れるために、バリアフリー化をすすめ、「更生保護施設自体のあり方を変えていこう」との思いで活動しているそうです。
仕事を持つと再犯率が下がる
職を持っている人と持っていない人で再犯率が約3倍も違うそうです。「社会から疎外されている」と感じるとやけっぱちになってしまう。でも「自分も少しは社会の役に立っている」といった自己有用感を感じられることが社会更生のためにとても大切だそうです。まず仕事を見つけ自信をつけてもらうために、協力雇用主を増やす取り組みや就労支援員のマッチング、ハローワークでも専用コーナーや出張面談を行うなどの取り組みがあります。
保護司は社会生活の頼れる伴走者
鷹箸さんは保護司は「伴走者」だといいます。「自分が何とかなろうとする人のそばを一緒に走りながら、導いていく」
具体的な役割は、犯罪を起こした人が刑期を終えた後、社会生活のアドバイスをしたり指導をしたりします。また、引き受け人が適任かどうか調査することや、仮釈放・執行猶予中に公正に努めて生活しているかを見ることも。
仮出所で保護司の観察を受けながら社会復帰を目指す人より、刑期を満期出所した(刑期すべてを刑務所で過ごした)人のほうが、再犯率が高いそうです。つまり、社会生活に復帰するためには「頼れる人・ともに走ってくれる人」の存在がとても重要なのですね。
犯罪をなくし、被害者を生まない。愛情のある豊かな社会を目指して
このように、犯罪をしてしまった人を見捨てないようさまざまな改革が行われています。その中でやはり、犯罪者の裏には、非常に悲しい思いをしている被害者がいることを忘れてはいけません。更生保護によって犯罪者を減らすことは、被害者を生まないようにすること。安心安全な社会を目指して活動しているのですね。
犯罪が起こってしまう要因は、究極には「生育過程」にある、と鷹箸さん。「子どもが育つ過程において十分な愛情を受けられ、貧困や虐待がない社会をつくっていくべき。子どもの愛情のある豊かな成長を育まなくてはならない」。
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鷹箸さん、ありがとうございました!保護司は民間発のボランタリーな取り組みであると知り驚きました。たとえ1度つまづいてしまっても、相談できる人がいて帰る場所があって、やり直せる社会になれば誰しも諦めない人生を歩めるのかなと思いました。
今回の放送で学生パーソナリティーの任務を終えました。1年間お付き合いいただきありがとうございました。ご出演いただいたゲストの皆様には、たくさんのお話や時には励ましの言葉もいただき、人生の糧となる出会いを得られました。リスナーの皆さんにもなにか少しでも心に残るラジオになっていれば幸いです。
次回1/8のゲストはデモクラティックスクールつながるひろばの宇賀神さんです。そして、新しい学生パーソナリティーです!おたのしみに!!!(みやさか)