12月18日のラジオ、ゲストはキッズハウス・いろどりの荻野ゆかりさんでした。子供の貧困について根掘り葉掘りお話をお聴きしました。
ワンストップで支援
荻野さんはこれまでに、子ども食堂や学習支援を通して子供たちと接してきました。活動を通して、子供の中には家にも学校にも居場所がないなど子供食堂だけでは十分に支援できていない子もいると感じはじめ、今年の8月に一軒家を借りて「キッズハウス・いろどり」をオープンしました。これまでは、食べる場所・勉強する場所がバラバラでした。そこで、子供たちの「食べること・学ぶこと・遊ぶこと・安心していられること」を1つの場所で全てを行う、ワンストップで支援できる場所をつくりました。資金は寄付。運営は、荻野さんと子供を支えたいと思うボランティアです。
学校や親だけでない関わりを
ここでは、外国のルーツを持つ子供たちの支援も行っています。外国で育ったけれど親の都合で来日。日本語を少し話せる程度にも関わらず、学校では十分なサポートがなく普通に授業を受けても、ついていけない、わからない。他にも、保護者も日本語がわからないため、学校の先生とコミュニケーションがとれない、持っていかなければならないものを持っていけないなどもあります。さらに、家では母国語で会話をしているため、学校で「包丁をとって」と言っても、家では「ナイフ」と言っているためわからなかったり…。
そういったことが原因で、いじめや不登校になるケースも多々あります。それを解決すべく、個別で日本語教室を開いたり、保護者の方々が教えられない日本の文化を教えるプログラムも展開しています。
荻野さんは「ボランティアに来てくれる人たちが、子供たちと関わってくれることで、親や学校以外の大人と触れ合う機会が生まれて、色んな考えがあるということを知ってもらえる」と言っていました。
場所じゃなくて、人の力
「補助金ももらわず市民の力でやっていきたいですね。そして、みんなで協力して温かい場所にするからこそ、みんなに見守られていると感じられるんだと思います」といいます。荻野さんは活動の中で、場所があるだけではよいとは思わず、子供たちが「また来たい!」と言ってくれるのは、関わってくれる人のおかげだと思っているそうです。「今までは、その役割を運営スタッフが担っていましたが、最近は、ボランティアさんに会いたくて来ました!や、子供同士で友達になれたりと『関わり』が子供たちの居場所を作っているように感じます」と荻野さん。
私もラジオの打ち合わせで、いろどりへ行きましたが、いつ行っても必ず玄関のドアが開いていました。「閉じた空間にしたくなくて、常に開けている」そうです。今後いろどりのような場所が増えて、子どもたちが地域に居場所を感じられるようになったらいいなと思いました。
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今回のラジオをもって、学生パーソナリティを卒業しました。1年間お付き合いくださりありがとうございました。ラジオを通して、様々な分野で「たすけっと」してる方々の生のお話を聴いたり現場へ行けて、私の「未来への漠然とした不安」が消えました。ここでの学びをこれからは個人的にお伝えしていくことで周囲の人の不安をバスターしていきたいと思います。明日、25日のラジオゲストは、尚徳有隣会の鷹箸さんです。お楽しみに!(さとうあやか)