フェアトレードのあるお店を訪ねて⑮-Cafe KANMAS

 東武宇都宮駅から徒歩5分、ユニオン通り商店街中程に、木材を切って作った大きな看板が商店街のドアの前に出ている。

 店名の由来は栃木弁でかきまわす、かき混ぜるという意味の言葉「かんます」から。地域をかき混ぜたり、かき回すようなお店に、という思いを込めたコミュニティカフェだ。

 目指すのは家の縁側のようなもの。自由に安らぐ場と刺激を受ける場と、二つの顔をもつ。日替わりの手作りスイーツはなかなかもの。ゆったりお試しあれ。一方店主催のまちなかゼミやイベントなどがよく開かれている。商店街や地域の人々、企業人、学生、市の職員など実にいろいろな人が出入りしている。その出会いの中からイベントが立ち上がったり、新しい事業が生まれたりしている。

 例えば郊外に住む高齢者をバスを仕立てて送迎し、まちなかにお買いものに来てもらう「買い物ツアープロジェクト」が既に動いている。宇都宮市のボランティアガイドの付き添い、自由にお買いものをした後はこのカフェで小休止、という三方良しの取り組みといえる。

 ここは飲食物を売るだけではなく、コミュニケーションを提供する場、いわば実験空間、チャレンジに溢れた空間というのが私の印象である。

 マスターは学生D君。「なぜ大学生がカフェをやっているの?」と聞きたくなる。彼は大学で学んだことを生かして「お店を作ってまちを変える」ことをやってみたかったという。実は数年前ユニオン通りに、地域の人々の営みを紹介するフリーペーパーを作るオフィスがあった。授業の一環でインターンとしてこれに参加した彼は、地域を良くしたいと思う様々なおとなに出会ったという。古民家や空き店舗を活用する、若い人が集まるまちづくり仕掛人や、草の根の起業家を育てる人など…。大学からまちの出たことで、社会との接点をもち、もまれることになったD君。交流が信頼関係を作り、それがユニークな企画を産み出しているのだろう。

 実は宇都宮市の「学生による空き店舗活用事業」として補助金が出ている。D君は近い将来自立をしたいと考えている。当然資金づくりが課題であり、大いに頭を悩ませている。知恵や協力を拝借できるどなたかいらっしゃいませんか?!

 フェアトレードのバッグや雑貨が買えます。(取材:吉田ゆりの・まちなかせかいネット)

 

●宇都宮市中央1-6-4

●TEL 080-2556-7545

●OPEN 11:30-23:00(L.O 22:00)

●定休 火祝日

 

■フェアトレードとは■

・国際産直

・適正な価格で取引をすることで途上国 の生産者の自立を応援

・地球環境と生態系を守る農法で生産

・お買い物が海外協力になるしくみ

 

※本会機関紙『隔月刊・ボラ情報』より転載