「まじめなソザイとまじめにつくったおいしいソウザイ」そのものの惣菜の店。
東武宇都宮駅そばにある栃木銀行本店の南側、もみじ通りが最近元気だ。この通りにカフェレストランやドーナツ店、雑貨店などおしゃれな店ができて、ミニコミ誌や地元紙に取り上げられ、宇都宮の“新名所”であるらしい。一昔前は栄えた商店街だが今はシモタヤ(終うた屋)が軒を連ねている。その空き店舗や古民家を活用して出店したのだとか。
さてこの通り中程、ドーナツ屋さんの隣にある小さなお店。中には家庭料理の煮もの、フライ、サラダ、佃煮、弁当などが並んでいる。昔からのまちは、高齢化が進み、地元のスーパーなどは撤退して久しい。普段の生活でちょっと買物…ということができない。「このまちで生活したい」という思いを大切にしたいとオーナーは考えている。
オーナーは大学で畜産を学んだ。当時日本の食が工業化していく時代だったが、「循環型農業」(※注)という考え方を学んだ。社会人となり、持続可能な農業を目指す農家と出会った。それら農家と消費者をつなぐ生産直売(産直)を生業とするようになった。食の安全・安心が話題になるずっと前のこと。20年以上たつという。
健康に育った、平飼い鶏の卵や肉、豚肉、野菜の宅配。季節や天候による作柄を考え、あくまで生産者に無理を言わない品揃えだ。この経験を生かして、これらの素材を使った料理を提供しようとこの店を始めた。
店ではフェアトレード(FT)商品(コーヒー、カレースパイス、オリーブ油、ハーブ石けん、雑貨等)も扱っている。またオーナーの粋な計らいで、店の定休日に大学生にこの空間を提供している。学生たちはFT商品を販売しながら、関心を広げたいと知恵を絞っている。小粒でもピリリと辛いFTショップだ。(吉田ユリノ/まちなか・せかいネット―とちぎ海外協力NGOセンター)
※注:循環型農業=畜産→堆肥→野菜穀物栽培→食糧・飼料にというサイクル
●宇都宮市西2-2-22 ●駐車場あり
●TEL:028-666-8940
●Open:11-18時 ●定休:土・日
◎FTショップ「YOROKOBI」
◆Open:第1・3日曜・12-18時、8月まで。
■フェアトレードとは■
・国際産直
・適正な価格で取引をすることで途上国 の生産者の自立を応援
・地球環境と生態系を守る農法で生産
・お買い物が海外協力になるしくみ
※本会機関紙『隔月刊・ボラ情報』より転載