11/12(土)、11/13(日) 山元町日帰り応援ボランティアの報告です。
参加者は12日(土)が、男性7名。13日(日)は、男性7名、女性3名。さらにこの日の参加者のお知り合いで、新潟から来られた女性1名が現地で合流。
作業は両日とも、同じ個人のお宅に伺って、庭のお手入れ。津波の被害を受け、伐られてしまった木の株を掘り出し、根の張った土を起こして整地する作業。
依頼主の方は80代のおじいさん、現在は仮設住宅でおばあさんと二人暮らしだそうだ。お宅の方は2mほど浸水したものの、床下の泥だしは済んでおり、来週には屋根の修理に入るという。
作業はまず、切り株の掘り出しから。
庭の木は多くが立ち枯れていたり、伐られて株だけになってしまっているが、なかには株から新しい芽が出ているものや、しっかりと生きている木もある。間違って残す木や株まで抜いてしまわないよう、依頼主と相談しながら、一緒に作業をする。
土が軟らかいのか根がしっかり張っていて、掘り出しは思ったより重労働。株の周りをスコップやつるはしで掘り、底にバールを入れて梃子にし株を持ち上げたりと、皆が協力しながらひとつひとつ作業を進めていく。株を抜いた後は、レーキや小さな鉄の熊手を使い、細かい根などを取り除いて整地。こうして2日かけ、作業は終了。
作業を終えた庭を見て、依頼主の方が「綺麗になったなぁ…これでようやく、住めるようになる。」とおっしゃった。その言葉を聞いて、どの根を掘り出すか相談している際に、ふと「これも抜いて欲しい。見るのが辛いから。」と漏らされたのを思い出す。
株を見ただけでは何の木かさっぱりわからないので聞いて見ると、庭の木にはサツキや松、椿、南天に藤や竹など…。以前は、四季折々に目を楽しませてくれていたに違いない。あの日から8カ月の間、残された株を見る度に、その光景を思い起こしては、胸を痛めてこられたのだろう。ようやく、という言葉の重みが、胸に響く。
庭の木々の中で、震災を乗り越え、さらに株から新しい芽を出していたのは、サツキだそうだ。依頼主のおじいさん曰く、「サツキは強いから大丈夫。」
新しい芽が、元気に育ってくれることを、心より願って。
斉藤 智寿
山元町特産・パプリカといちごを使ったアイス。お昼に伺った「夢いちごの郷」で販売中。
※「夢いちごの郷」とは?
町内の農家約50人でつくる生産者団体「夢いちごの郷友の会」が運営する農産物直売所。震災前、高瀬地区にあった直売所と併設の観光農園は津波によって流されたが、現在は、国道6号沿いの民有地を無償で借り、町からプレハブ小屋の提供を受けて営業を再開。
河北新報 2011年09月18日付より