今回は、宇都宮市峰地区で〝宮っ子の居場所〟を運営する、工藤光一郎さんに話を聞いた。工藤さんは大学で建築を専攻する傍ら、休日にはこどもたちの居場所づくりに励んでいる。
学童のスキマをついた強み
「子供たちの居場所」と聞いて多くの人が連想するのは、学童のような場所だろうか。「みねっこと大学生のひみつきち」はそういった場所とは一味違う。
工藤さんは、「ひみつきちが開かれるのは平日ではなく日曜日。さらに地域の大人だけでなく年齢の近い大学生と交流できる。あえて学童が休みの日曜日に開いていることや縁遠い大学生と遊んだり話したりできることがここの強み」だと語った。
シャイでも行ける、ひみつきち
「一人でもふらっと訪れやすい」というコンセプトがある。空き家を改築したこの場所は、少し周囲から分かりにくい。一見すると不利に思われるこの環境について「僕が子供だった時のことを考えると、恥ずかしくて、開いた場所に遊びに行くのに抵抗があったんです。だから、そういった子にも気にせず来てもらえるような空間を作りました。」という。
子どもの心は繊細だ。そういう機微をとらえた子どもに近い大人の発想だと思った。
これからの「ひみつきち」は子供だけじゃない!
みねっこと大学生のひみつきちの今後について、工藤さんは「子供たち以外の世代にも来てほしい」という。もともと地域住民の居場所が目的だったこの場所に、高齢者にも来てもらえる工夫をするつもりだという。企画しているのが「スマホ教室」。大学生がスマホの使い方を教える。こどもたちでなく世代を問わず集まれる場所を目指している。